「Yahoo!検索 カスタムサーチ」が3月末で終了。代わりはどうする?
「Yahoo!検索 カスタムサーチ」が3月末で終了します。これによって企業Webサイトでも多く使われていたサイト内検索の代表サービスである「Google Site Search」と「Yahoo!検索 カスタムサーチ」が、相次いでサービスを終了することになりました。しかし、サイト内検索は、大規模化しているWeb サイトにおいて欠かせない機能です。では、これからのサイト内検索サービスは何を使うべきでしょうか。今回は「Google Site Search」と「Yahoo!検索 カスタムサーチ」に代わる検索サービスを紹介します。
目次
サイト内検索サービスに移行する
有料サイト内検索サービスを終了したGoogle
手頃な料金で提供されていた「Google Site Search」が2018年3月で終了し、現在は広告が表示される無料版の「Googleカスタム検索エンジン」のみしか使用できなくなりました。またYahooも無料の「Yahoo! 検索カスタムサーチ」を2019年3月で終了。「Google Site Search」がなくなったので「Yahoo! 検索カスタムサーチ」に移ったばかりだったというサイトもあるかもしれませんが、いよいよ他の有料サービスの検討が必要になりました。
無料版「Googleカスタム検索エンジン」ではなぜだめか?
有料版の「Google Site Search」では年間100ドル程度の料金で、ユーザーの検索結果画面に表示される検索連動型広告やGoogleロゴを非表示にすることが可能なサービスでした。逆に、無料版の「Googleカスタム検索エンジン」は、検索連動型広告やGoogleのロゴがすべて表示されてしまいます。自社のオウンドメディアにGoogleのロゴが出てくることさえも気分のいいものではありませんが、ユーザーが入力した検索キーワードにしたがって競合製品の広告が表示され、他社サイトに流出する可能性も生じます。企業にとっては無料版を使用した場合のデメリットのほうが大きいと考えられます。
料金が下がりつつある国産ASPサービス
有料で提供されているサイト内検索サービスは、通常、検索対象とするページの数やドメイン数、ページビューの多さなど、ボリュームによって料金体系が変わります。また何カ国語の多言語対応をするかといったことも見積もりに影響します。このため大規模なサイトだと結構高額となりますが、GoogleとYahooがサービス停止したのを機にシェア獲得競争が活発化し、全体としては料金が下がってきており、気軽に導入できるサービスとなりつつあります。WebMediaを運営しているWeb制作会社の弊社ITRAがお客様企業におすすめするのは、次の3つの国産ASPサービスです。
1)Sync Search(株式会社SyncThought)
1000ページあたり月額30,000円から(スタンダード版の場合)という手頃な料金から使い始めることができる国産サービスです。検索結果のページの内容が一目でわかる「サムネール表示」機能や、検索ログを分析できる管理者画面などが標準で搭載しています。
月額50,000円からのエンタープライズ版ならば「もしかして表示」「サジェスト表示」といった高機能な結果表示も可能です。また、導入を検討中で見積りがほしいとき、営業担当を呼ぶことができるなど、人的なサポート体制が充実していることも特徴です。
2)MARS FINDER(株式会社マーズフラッグ)
グローバルブランド企業や官公庁にユーザーの多い国産サイト内検索サービスです。「サムネール表示」機能はもちろん、リアルタイムの入力補助「インテリ・アドバイザー」やマルチデバイス対応「レスポンシブデザイン対応」などの多彩な機能が充実。また、企業ごとのニーズに合わせたカスタマイズ性が高い点が特徴とされています。料金は月額50,000円からです。
3)i-Search(株式会社スカラコミュニケーションズ)
大手企業を中心に200社以上が導入。他のサービスと同様に「サムネール表示」やマーケティングに役立つ管理機能のほか、ユーザーが検索したカテゴリー内でマッチするページを優先的に表示する「最適化機能」、あらかじめ設定したディレクトリやドメイン、ホスト名等の範囲内に絞って結果を表示する「絞り込み検索」などの実装が可能です。料金は月額20,000円からと安価ですが、お客様窓口は電話とメールのみとなるサービスです。
i-Search
サイト内検索を自社開発するという方法も
CMSにサイト内検索を組み込む
以上、大手企業の導入実績のある3つのサイト内検索サービスをご紹介しました。3つはいずれもSaaS型のサービスなので、サーバー等の構築や運用管理が必要ありませんが、使い続ける限り継続して定額料金が発生します。またWebサイトが発展してページ数が増えたり、何らかの理由でページビューが跳ね上がったりすると、料金が予期せぬタイミングで高くなる可能性もあります。
このため、大規模なサイトを運用している場合は、いっそのこと自社開発でサイト内検索機能を作ってしまい、CMS(コンテンツマネジメントシステム)に機能として組み込むという方法も一考の余地があります。先にシステム開発にイニシャルコストをかけて、運用経費をゼロにするほうが良いという考え方もあるでしょう。それぞれの方法の見積もりをとり、何年間使い続けると自前のシステムの方が割安になるか、シミュレーションしてみると良いかもしれません。
サイト内検索機能はWebマーケティングにも役立つ
サイト内検索は、大規模なWebサイトでの情報探しには欠かせませんし、SEO対策としてももはや欠くことのできないものです。そしてなにより、ユーザーが残してくれた検索ログは「見つけにくい情報」「足りていない情報」といったWeb サイトの弱点を発見し、改善につなげるための重要な指針となるものです。大切なWebマーケティングのツールを導入するという認識で、この機会に「サイト内検索」の役割を見直してみてはいかがでしょうか。
この記事の著者
ITRA株式会社
官公庁や大手企業を中心とした大規模なWebサイトを総合的にプロデュースするWeb制作会社。デザインからシステム、サーバーまでWebサイトに関わるお客様の悩みを解決します。
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