Webサイト制作の料金は?見積もりの内訳と費用を細かく紹介!
制作会社に依頼してWebサイトを作りたいけれど、見積もりが妥当かどうかわからない。という方は多いのではないでしょうか。
作成費用の見積もりと一言で言っても、制作するサイトの目的やターゲット、取り入れたい機能や納期、規模によって予算は大きく変わります。ですので、正確な予算というものは明確に提示できないことが多いのが実情です。
とはいえ、どの作業やサービスに費用がかかっているのか明確に提示されていなければ、どの制作会社に依頼することが最善なのかわかりませんよね。見積もりにどのような項目があるのが基本なのかを知らずに内訳を詳しく確認しないままに制作を依頼するのは危険です。内訳の詳細を知らなかったために、Webサイト構築の過程で食い違いが生じた経験がある方もいるでしょう。今回はサイト設計依頼での見積もりの内訳を紹介していきます。
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目次
見積もりの計算方法
制作会社の方針によっても変わってくることがあるので、一概に言うことはできませんが、Webサイトの制作は、必要になると予想される作業時間と人数である工数単価で見積もりが行われます。作業の多いWebサイトの制作には多くの工数が必要となり、工数の分費用がかかるということです。
ただし、システムの導入がほとんどなく、且つ10ページ程度の比較的小規模なサイトの作成では、工数での見積もりの計算というよりも「1ページでいくら」というページ単価での見積もりがほとんどです。
見積もりが大きく変わる2つのポイント
工数の量は、①どのような形式のサイトを構築するか②どのようなシステムを構築するかによって大きく上下します。
①どのような形式のサイトを構築するか
一概にWebサイトと言っても、会社の概要を載せるコーポレートサイトや通信販売などを行うECサイト、IDとパスワードを打たないと入れない会員サイトなど、その種類は豊富です。どのような形式のWebサイトにするかによって見積もりは大きく変わります。
ちなみに、先述した通り、小規模なサイトの作成では、工数での見積もりの計算というよりも「1ページでいくら」というページ単価での見積もりがほとんどです。ただし、単純に「1ページいくら」といってもその「ページ」のクオリティによって価格は大きく変わります。
例えば、キャンペーンなど特別PRしたい事象があると、特設ページを作る場合があります。これをランディングページと呼びますが、ランディングページは、数ページないしは1ページのみでアクセスしたユーザーの気を引くため、デザインのクオリティを上げる必要があります。ユーザーを惹きつけるために凝ったデザインにすればするほど価格は高くなっていくというわけです。
②どのようなシステムを構築するか
どのようなシステムを構築するかも工数が大きく変わるポイントです。 複雑なシステムを構築すればするほど工数が必要になるので、費用がかかります。フォームや検索システム、顧客データベース、CMSなどがシステムとして挙げられます。
たとえば検索システムの複雑なシステムとしては、国立国会図書館の検索システムが挙げられるでしょう。
膨大な書物のデータベースに対する検索システムは、手間のかかる作業でありながら、高い技術も必要とされるので、多くの工数がかかるのです。
見積もりに記載されている費用は、どれほど工数がかかるかによって決まっていることがほとんどです。
では、実際にどの項目に工数が必要とされているのかを詳しく見ていきましょう。
設計
①全体設計
まず全体設計とは、依頼者からどのようなサイトを構築したい、またはリニューアルしたいのかについて要望を聞き取る作業です。そこで、サーバーやCMSの指定があるかどうかを確認し、Webサイト制作のための土台を固めてから、打ち合わせを重ねていきます。
もちろん構成やシステムの設計も重要ですが、他にも重要な役割があります。それは、業務の洗い出しと合意です。全体設計の段階で何が必要で何が必要ないかを確認したり、今後の作業をすべて洗い出して、制作側と依頼者側が合意をします。
なぜ作業の合意をするかというと、依頼者としても必要な見積もりの内訳を把握できますし、制作側としても依頼者側から後々「このデザインが欲しい!」とお願いされても、それが設計の時点で合意したものかそうでないかで、見積もりの範囲内で行えるか、追加請求なのかがすぐに分かります。見積もりにも関わってくる非常に重要なフェーズなのです。
②サイト構成
サイト構成とは、ページがどの階層にあるか、どういった導線でたどり着くようにするかを決める、いわゆるサイトマップのことです。ExcelやGoogleスプレットシートにまとめられることが多い膨大な量のページが、どのような順番で、どのページの下の階層に配置されるのかという情報を詰めていきます。ページ数が多ければ多いほどサイト構成に工数がかかるので、工数の分だけ費用も増します。
サイト構成については、サイト構成表作成のポイントの記事に詳しく記載していますので、併せて読んでみてください。
WebMedia参考記事
Webサイト制作におけるサイト構成表作成のポイント
https://www.itra.co.jp/webmedia/project_site_compose.html
サイト構成表をよく見ていますか? エクセル表でまとめられているサイト構成表は、Web担当者にとって「全ページ管理」のため...
③画面設計
出来上がったサイト構成表をもとに、依頼企業に関する情報収集のもとで依頼者のヒアリングを反映させた、簡単なページのレイアウトの設計を画面設計といいます。制作するサイトの実際の画面案、いわゆるワイヤーフレームを提示して、打ち合わせを通して改善していく作業を伴います。修正を重ねて依頼者の納得する画面設計が出来上がった後に、デザインの制作に取り掛かります。
画面設計については、下の記事に役割とポイントが詳しく書かれています。併せて読んでみてください。
WebMedia参考記事
Webサイト制作におけるワイヤーフレームの役割とポイント
https://www.itra.co.jp/webmedia/point_wire.html
サイト制作に欠かせない画面設計図(ワイヤーフレームと言います)を作ることは、Webディレクターの仕事ですが、プレゼンテー...
④進行管理
ディレクターによるプロジェクト全体の進行管理です。先述の全体設計から画面設計までの全体像を共有するための打ち合わせや、全体のスケジュール管理、デザイナーやプログラマーと依頼者の仲介で必要となる工数によって進行管理費がかかります。一般的に進行管理費はWebサイト制作費の10~30%になります。
デザイン
デザインに関する段階では、上記の設計と平行して依頼者側との打ち合わせを重ねることでデザイン案を作成していきます。
もし制作会社側が依頼者の合意を得る前にデザインをすべて完成させてしまえば、依頼者からページの一部分の順番を変更するように頼まれた際に膨大な手間と時間がかかってしまいます。
このような無駄をなくすために、ディレクターが依頼者とデザイナーの仲介役となって大まかなデザイン案を先に作る必要があります。実際の制作に入る前に何度も打ち合わせを重ねて納得のいくデザインを決定するので、デザインに関わる打ち合わせにも工数によって費用がかかります。
コーディング
設計段階での決定を受けて、HTMLやCSS、JavaScriptでのコーディングの段階に入ります。コーディングテンプレートとページ制作、検証の項目に分けて紹介します。
① コーディングテンプレート
コーディングテンプレートとは、実際のコーディングに入る前に、制作するWebサイトに共通するパーツを抜き出して定義したものです。
多くのページで共通している部分を定義しておくことで、コーディングをクラス分けすることができるなど、事前の対応が可能になり、作業が効率化できます。
②ページ制作
コーディングの作業費は1ページいくら、というようなページ単価で決定することが多いです。1ページがいくらかは制作会社によって異なります。
またページ制作では、制作するWebサイトをPCのみに対応するようにするかどうかの選択肢があります。現代ではスマートフォンやタブレット端末など、アクセスされたデバイスに応じて表示サイズを変化させるレスポンシブWebデザインで作られたWebサイトも増えています。 大まかには、レスポンシブWebデザインにする場合はPCにのみ対応するWebページを作る場合のだいたい1.5~2.0倍の値段がかかります。
Webサイトのリニューアルを依頼する際には、今までのWebサイトへはどのようなデバイスからアクセスされていたかを確認してレスポンシブWebデザインに対応させるかどうかを判断してみて下さい。
③ 検証
上記のような段階を経て作成されたデザインを含めたコーディングが、きちんとWebサイトとして表示されているかどうかの確認作業を検証と呼びます。
見積もりにこの検証が含まれていない制作会社は公開の前にWebサイトがどのように表示されているかに責任を持たないと考えていいでしょう。制作後に見つかったエラーへの対応に見積もりの額と別途で費用がかかることになるので、検証が見積もりに含まれているかの確認は必須です。
検証では、PC・スマートフォンのブラウザ検証と、多くの種類のスマートフォンの実機検証が行われます。多くの場合制作会社が検証に使うブラウザとデバイスを指定していて、依頼者側と共通認識を持っています。たとえばWebmediaを運営するITRAでは、PC・スマホはIE11以上、Chrome、Firefox、Safari、Edgeとしています。また、スマートフォンではiPhone6Plus、iPhone8、iPhoneXsとして、それ以外はシミュレーターでの確認としています。
システム
次に、システムに関わる項目について開発、データ移行、検証に分けて紹介していきます。
①開発
開発における項目は以下の4つに分けられます。
・CMS
CMSの構築に関しては、依頼者の希望するCMSを導入するか、新たにCMSを構築するかどうかを選択します。新しいCMSを構築するかどうかに応じて費用は上下します。
・フォーム
お問い合わせフォームや、会員登録、申し込みなどに使われるフォームを制作するかどうかの選択です。
新しいフォームのシステムを1から制作する場合はブラウザや実機による文字化け、システムとの連携など、膨大な検証時間が必要となる場合があり、工数として反映されます。条件分岐の多い複雑なフォームかどうかも工数に影響します。
・顧客データベース
顧客データベースとは、Webサイトを通じて顧客のデータベースを作成し、ファイルに変換できるようなシステムです。
個人情報の管理の有無の選択もあります。個人情報の管理を制作会社に依頼すると、個人情報を守るためにセキュリティなどの担保が必要となり、費用が大きく上がる可能性があります。
・検索システム
Webサイト内の検索システムを導入するかの選択です。こちらも1から作るか既存の検索システムを使うかで費用が大きく変わります。
②データ移行
データ移行は、Webサイトのリニューアルを依頼した際、現行のシステムから引き継ぐ必要のあるデータなどを新システムに移し替えて、新システムに基づく業務に切り替える作業です。
膨大なデータを移し替える作業なので、全体工数の3、4割をデータ移行関連が占めたという例もあるほど、データ移行は重い作業です。
見積もりの際には、データ移行を手動でする必要があるのか、そのためにどのくらいの工数が必要とされているかのチェックが必要です。
③検証
コーディングと同様にシステムの検証、確認をする必要があります。 システムの検証はたとえばCMSの場合、実際に記事を投稿、アップロードするなどして、システムが崩れていないかどうかの確認を行います。崩れていた場合は制作会社内で修正したり、委託していた外注会社に直してもらったりする作業をシステム検証と言います。
システムの規模や複雑さによって検証にかかる作業量が変わるので、工数が変化します。
サーバー
Webサイトを公開するためのサーバーについての項目を紹介します。
ホスティングサーバーを使用する場合、毎月費用がかかります。その代金を保守として、サーバーの項目に見積もりが上乗せされます。
希望のサーバーがあれば、Webサイト制作に取り掛かる前に制作会社に要望を伝えます。その後、希望のサーバーで動くシステムを構築します。
特に指定がない場合は各制作会社の得意としているシステムを構築した後で、そのシステムがうまく機能するサーバーを開発します。
以下の記事にサーバーの選び方についての記事があるので、併せて読んでみてください。
WebMedia参考記事
Webサーバーの選び方
https://www.itra.co.jp/webmedia/web_server_select.html
Webサイトのリニューアルプロジェクトにあたって、料金や機能面から新しいホスティング会社へのWebサーバー移転を検討する...
公開作業
完成したWebサイトを実際に公開するまでの作業について紹介します。
① 公開準備
Webサイトをリニューアルする場合、実際に完成したWebサイトを公開するまでには長い時間がかかります。普段Webサイトに訪れていたユーザーに公開した際にバグが起きてしまったなどということがないように、メンテナンス期間を設けることが多いです。
公開までの間の準備期間は長めに設定して、予想外のバグが起きてもユーザーに迷惑をかけないように間に合わせます。会員登録をしているユーザーの多いWebサイトなどは特にメンテナンス告知を事前にするなどの準備が必要にあります。
②公開作業
公開作業が制作会社で進められるか、リモートかどうかでも工数が変化します。リモートは、依頼者から指定されたサーバーが依頼元にしかない場合などに必要になります。またセキュリティ上、制作会社から接続することができないようにしている依頼元もあります。このような場合は、制作会社のディレクターやデザイナー、プログラマーなどが全員依頼元を訪ねて、打ち合わせや制作を進める必要があります。
リモートだと交通費や技術者などにかける移動負担分が見積もりの中に含まれます。
まとめ
Webサイト制作の見積もりの内訳について理解していただけたでしょうか。
Webサイトの制作会社は、大体今回紹介したような項目を見積もりに含んでいます。ページ数や工数、制作の負担などしか記載されていない見積もりでは、依頼者の要件を満たしていなかったり、アフターケアがきちんとしていなかったりするかもしれません。
自社の作りたいWebサイトに必要な条件が、見積もり書にしっかりと記載されている制作会社は信頼できるでしょう。依頼した後に食い違いや不満が発生しないような最善の制作会社選びのために、上記のような項目が見積もりに含まれているかを参考にしてみてください。
また、Webサイトの制作依頼で重要なのは何のために、誰に向けて、どのようなWebサイトを作りたいのかを明確にイメージしておくことです。
依頼内容をまとめておくことで、制作過程もスムーズになります。
自社のWebサイトの目的にあったサイト制作のために欠かせないRFPの作成のコツについて紹介した記事もありますので、ぜひ見てみてください。
作成会社に依頼したものの見積もりの内容について納得ができない、説明が不十分であるなどの問題はありませんか?
Webmediaを運営するITRAは、依頼した制作会社の見積もりに対する不明点の相談もお受けします。 丁寧な説明と打ち合わせを重ねて、見積もりから納得いただけるWebサイト制作をいたします。
様々なWebサイト制作の経験を生かした最適なサイト構築をお約束します。
フォームからも依頼を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事の著者
ITRA株式会社
官公庁や大手企業を中心とした大規模なWebサイトを総合的にプロデュースするWeb制作会社。デザインからシステム、サーバーまでWebサイトに関わるお客様の悩みを解決します。