プロデュース・ディレクション

Web制作会社が語る!Webサイトリニューアルがスムーズに進まない企業の特徴!

自社サイトをリニューアルするにあたって、一番起こってはいけないことは、公開の遅延です。企業側のプロジェクトチームメンバー、ならびに制作会社も公開日に間に合わせるため、業務に励んでいますが、どうしても遅延が発生してしまう場面があります。Web制作会社に非があるときももちろんありますが、ときには企業側にも課題がある場合が存在するのも事実です。今回は公開の遅延を防ぐために、Web制作会社側の視点からWebサイト制作がスムーズに進まない企業の特徴とスムーズに進めるための解決策を実際の経験を元に解説していきます。

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目次

スムーズにプロジェクトが進まない企業の特徴

特徴1:企業のWeb担当者のリソース管理ができない

まず、Webサイトリニューアルプロジェクトにおいて、担当スタッフのリソース管理ができないチームでは、スムーズなプロジェクト進行ができません。

Webサイトリニューアルプロジェクトはスケジュールが長期間に渡るうえ、コンテンツも膨大ですし、Web制作会社ともやり取りをしていかなければいけません。そのため、誰が何をいつまでにやらなければいけないのかをしっかりと明確にする必要があります。これをリソース管理とここでは定義しますが、このリソース管理を曖昧にしてしまった結果、プロジェクト全体が遅延してしまうことが非常に多いです。

担当者タスクの割り当てが曖昧になってしまい、作成されるべきコンテンツが作られなかったり、追加の社内の各部署へのヒヤリングや調整が公開直前になって行われるなど、こういったことがWebサイト公開の遅延につながります。

特徴2:意思決定者が複数存在する

2つ目の特徴は、意思決定者が複数人いるプロジェクトチームです。

Web制作会社として非常によくあるケースをご紹介しましょう。Web制作会社が画面設計図を完了させ、デザインも数ページに渡って作成を完了。企業側のプロジェクトリーダーからも多くのデザインページの承認を得ることができていました。そして、コーディングフェーズに移ろうとしたときに突如としてプロジェクトリーダーの上席なる御方が現れ、「デザインが気に入らないので修正して」と画面設計から見直さなければいけなくなる一言を投げかけるのです。

意思決定者が複数いることによって、一度決定したデザインが後で覆ってしまうと当然Web制作会社には画面設計からお願いし直さなければなりませんし、そうするとスケジュールは大幅に遅延することになります。さらにWeb制作会社によってはデザインは2案まで、などの制限を設けている場合もあるため、デザイン追加作成の費用が発生してしまう可能性もあります。

特徴3:タスクの引き継ぎができない

3つ目の特徴は、Web担当者側の内容の引継ぎ作業が適切にできていないことです。例えばWebサイトリニューアルは早くても3カ月、長い時には1年以上かかってしまうプロジェクトですので、もともと参加していた担当スタッフが急きょ別の部署異動になってしまったなどを理由にメンバーが変わってしまう場合が多々あります。

そこで新しく配属したチームメンバーや別のメンバーにへ内容を十分に引き継がないままプロジェクトが進行してしまえば、すでに決定したデザイン案なのに、決定していない事項と間違えて認識され、以前に議論して解決した議題の打ち合わせをWeb制作会社や関係者を巻き込んで再度行う羽目になってしまいます。こういった決定事項に関する打ち合わせを再び行うということは、制作会社を含めプロジェクト関係者全員に影響してしまい、その期間に予定されていた工数の分だけコストが無駄になってしまいます。

特徴4:Webサイト公開までのスケジュールに余裕がない

Webサイト制作のスケジュールに余裕を持たないチームも、プロジェクトがスムーズに進まない1つの特徴です。

Webサイトをリニューアルするにあたって必ず守らなければいけないのが公開日です。その公開日に間に合わせるために制作会社も含めたプロジェクトチームは必死に業務にあたっていきます。

しかし、プロジェクトを進めていると想定していなかったシステムの仕様が必要になったり、デザインの差し替えが必要になるなど、どうしても本来スケジュールにはなかった不測の事態は発生してしまいます。

不測の事態が発生したときに、公開日までの余裕がなければ、チームメンバーが遅れを取り戻すために何日にもわたって夜通しの作業を行うことになります。こういった無理なスケジュールは最終的にシステムの不具合やレイアウト崩れの原因にも繋がってしまい、結果的に公開日が遅れてしまう可能性が出てきてしまうのです。

特徴5:修正の大変さを知らずに「修正して」と何度も修正依頼をする

5つ目の特徴はWeb制作会社に「修正して」と何度も修正依頼をするチームです。システムにエラーが発生していたり、本来仕様で決めた部分ができていなかった部分に関しては、もちろん制作会社に非があるので、修正依頼をしていただいて問題ありません。

ただ、例えば一度決定した画面設計やデザインを実際にコーディングした後に「このデザインはWebページで見てみたら気に入らなかったから変えて欲しい」と、一度確定したデザインに対して何度も修正依頼をいただく企業様もいらっしゃいます。

一度コーディングしてしまったものをレイアウトやデザインから変更するということは非常に難しく時間のかかる作業です。場合によっては追加コストが請求されたりWeb制作会社との関係が悪化してしまう可能性があります。

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Webサイトは上図のようにデザインやコーディングのそれぞれのパーツがうまくバランスを取ることで成立しています。仕様の変更とは、例えるなら何とかバランスを保っているWebサイトのピースを一度抜いて違うものに変えるということです。つまり変更用のピースを挿入するためには、Webサイト全体のバランスを調整し直さなければいけません

この修正の大変さを理解することなく、制作会社に仕様以外の部分で何度も修正依頼をしてしまうと、制作会社にとっても大きな負担となってしまい、プロジェクトが遅れてしまう原因となってしまうのです。

スムーズにプロジェクトが進まない時の解決策

解決策1:リソース管理を徹底する

まずは、リソース管理を行うプロジェクトリーダーを決定したうえで、制作会社との窓口は誰がやる、このコンテンツは誰がいつまでに作成するなどのリソース管理をしっかり行いましょう。例えばサイトリニューアルを行う際に、事業紹介は営業、採用情報は人事などページごとに担当者を決めておくことが必要です。Web担当者がWebサイトのコンテンツごとに担当者を決めておくことで、Web制作会社からの内容確認がスムーズに行えます。

また、Web制作会社とやりとりを行う窓口担当も決定しておきましょう。常にWeb制作会社の進捗を知っている人がいることによって連絡がスムーズになり、プロジェクトが遅れてしまうことを防ぐことができます。

解決策2:プロジェクトの意思決定者を1人選定しておく

Webサイト制作プロジェクトの意思決定者を決めておきましょう。意思決定者が誰なのかをあらかじめ明確にしておくことで、プロジェクト終盤になってから突然別の人が現れてデザインやシステムの仕様を覆す、ということが発生しにくくなります。

また、意思決定者は最終的な設計図やデザイン案にいち早く目を通し、変更しなければならない点がないか確認してください。もし変更しなければならない点があった場合、早急にWebサイト制作会社に変更の旨を伝えることで、スケジュールの大幅な遅延を回避できます。

解決策3:引き継ぎを正確に行う

担当スタッフの変更があった際はプロジェクト内容の引き継ぎを正確に行いましょう。引継ぎをしっかり行うことで、Web制作会社との余分な打ち合わせ、前回の内容の確認作業等で無駄になる時間も少なくて済みます。

解決策4:余裕のあるスケジュールを立て、代替案を複数用意しておく

プロジェクトをスムーズに進めるために、余裕のあるスケジュールとプロジェクトが計画通り進まないことを考慮した代替案をいくつか用意しておくことが重要です。「理想とするA案」と「スケジュール通りにプロジェクトが進行しなかった場合のためのB案」のように複数の代替案を準備しておくことで、もしものトラブルの際に1から案を出す時間が短縮でき、スムーズにプロジェクトを再開することができます。

しかしお客様の中には、どうしても公開日までに間に合わせて欲しいという方もいらっしゃいます。とはいえ、公開日までに全ての仕様を完成させるということは物理的に難しいことが多々あります。

こういった状況であれば、タスクに対して優先度を設定しましょう。公開までに必須の箇所を優先して作成し、優先度の低い箇所に関しては公開後に対応する、などの対処を取ることが最善です。

解決策5:大幅な仕様変更があったときには、迅速にWeb制作会社へ伝える

Web制作会社が追加の仕事を納得してできるように、仕様の変更が発生した際は修正が大変だということを理解したうえで依頼することが必要です。仕様変更が発生してしまうことは致し方のない場合もありますので、変更理由をきちんとWeb制作会社に説明することで、お互いにとって適切な折衷案が提案されたり、追加コストなしに変更してもらえることもあります。

このように、場合によっては多少の融通が効くこともあるのでWeb制作会社に変更の理由を正確に、そして迅速に伝えましょう。仕様の変更はスケジュールにも大きく関わる部分ですので、お互いが納得した上でプロジェクトを軌道修正できるようにしましょう。 また、前提としてプロジェクト後半で修正作業が起きないように、画面設計図やデザインは、それぞれ確認のフェーズごとに細かく確認しましょう。もし確認時に疑問に思ったことがある場合は制作会社に疑問点を相談するようにしましょう。

まとめ

今回はWeb担当者のプロジェクトがスムーズに進行しない時の原因と対処法についてWeb制作会社の立場を踏まえて解説しました。プロジェクトは様々な人が関与して成り立っているため、プロジェクトが大きくなるにつれてその分多くのトラブルが発生することになります。プロジェクトがスムーズに進行しない場合、進行を妨げている原因を正確に見極め、適切な対処方法を実施することが最適なプロジェクトの管理といえるでしょう。

この記事の著者

itra
ITRA株式会社

官公庁や大手企業を中心とした大規模なWebサイトを総合的にプロデュースするWeb制作会社。デザインからシステム、サーバーまでWebサイトに関わるお客様の悩みを解決します。