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Webサイト作成に欠かせない要素!W3Cとは?準拠するメリットを紹介

Webサイトの作成方法は基本的に自由ではあるものの、W3C勧告に準拠して作成することはとても重要なポイントになってきました。利用者の利便性やSEOにも影響してくるので、もはや、Webサイト作成に欠かせない要素であると言ってもいいでしょう。この記事ではW3Cの概要と、W3C勧告に準拠したWeb標準化の必要性やメリットなどについて紹介していきます。

W3Cとは

目次

W3Cとは

W3CとはWeb(World Wide Web)技術の標準化を行っている非営利団体「World Wide Web Consortium」の略称です。Webで使われるHTML、CSSなどの技術を標準化して、互換性を確保するために1994年に設立されました。
創設者のティム・バーナーズ=リーはWebの考案者の一人でハイパーテキストシステムを開発した人物でもあります。

W3CにはIT関連企業を中心に400近い団体が加入し、Webの標準化策定作業が続けられています。W3Cの管理運営はアメリカのMITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)と、フランスの欧州情報処理数学研究コンソーシアム(ERCIM)と、日本の慶應義塾大学が共同で行っています。
世界18の地域に支部があり、各地域のWebコミュニティと協力してW3Cの標準化技術の普及に努めています。

Web標準化を行う必要性

従来の規格

Web標準とは、W3Cが勧告しているWebを標準化するための規格です。インターネットと共にWebが普及しはじめた頃にも、Webを閲覧するブラウザにはある程度の規格はありました。

しかし、それぞれ独自に開発されていたために、使えるHTMLのタグが異なったり、タグが同じでも表示方法が違ったりと互換性が低いものでした。Webサイトを作成する側は複数のブラウザに対応する必要があり、とても手間がかかる作業でした。
この状況を解決するためにW3Cが設立され、その後、W3Cの勧告によりWeb標準規格が策定されるようになったのです。

W3Cの登場

現在ではブラウザ側の仕様がW3C勧告に準拠するようになってきたので、Webサイトを作成する際にW3C勧告に準拠していれば、ブラウザの互換性の問題はほとんどなくなってきました。これは逆に言うと、W3C勧告に準拠していないと不具合が出てくる可能性が高くなってきたということです。今は問題なく表示されていても将来的に問題が出てくる可能性もあるのです。

ブラウザの種類が増えて、Webサイトを閲覧する端末(パソコン、スマートフォン、タブレットなど)の種類も増えたこともあり、W3C勧告に準拠したWeb標準化はとても重要な要素になってきました。

もはや、Webサイト作成においてWeb標準化に対応するのは当たり前です。HTML(XHTML)とCSSの記述においてW3C勧告に準拠することがWeb標準化につながり、利用者にとっても利便性の高いWebサイトになるのです。

W3Cの勧告プロセスは綿密!

W3Cが勧告を行うまでのプロセスは綿密に行われます。Web仕様を標準化させるための審議・検討にはいくつかの段階があり、作業草案→最終草案(2014年8月に勧告候補へ統合された)→勧告候補→勧告案というステップを経て、最終的にW3C勧告という段階へと進みます。

W3Cの規格

作業草案の段階

このプロセスの最初が作業草案という段階です。各ワーキンググループ(作業部会)により起草された標準化のための文書が、ワーキンググループのティレクターの承認を受けて一般公開されます。各地域のコミュニティでレビューが行われ一定の要件を満たすと、その文書は次の勧告候補へと進みます。

勧告候補の段階

勧告候補の段階では、他のワーキンググループやW3C会員からのレビューを受けることになります。期間は3週間以上設けられ、ディレクターからの評価依頼で諮問委員会によるレビューも開始されます。一定の要件を満たすことで次の勧告案へと進みますが、重要な問題があると判断された場合は作業草案へ差し戻されます。

勧告案の段階

勧告案の段階では、さらに厳しい条件で諮問委員会の審議・検討が行われます。レビュー期間は最低でも4週間ほど設けられます。順調に進めば最終段階のW3C勧告となりますが、問題があると判断された場合は前段階の勧告候補へ、あるいは、最初の作業草案へ差し戻されることもあります。

W3C勧告の段階

W3C勧告の段階になると、諮問委員会、W3C会員、ワーキンググループ、W3C外部を含めて十分な支持を得られた文書として認められ、晴れてWeb標準として公開されるのです。Web標準はこうしたW3Cにおける綿密なプロセスを踏むことによって生み出されます。そして、Web制作での共通指針となるのです。

Web標準化を行うメリット

Web標準化を行うには、W3Cで勧告された規格に従ってサイトを構築する必要がありますが、Web標準化を行うことで主に3つのメリットがあります。以下に詳しく説明します。

メリット1:サイト運営の作業が簡素化される

1つ目のメリットはWebサイトの作成と運営作業が簡素化されることです。W3Cで勧告されているWeb技術であるHTMLやCSSを使うことで、サイトに表示する文書とデザインを分離することができます。サイトがブロック単位で構造化されるためメンテナンスがしやすくなるのです。

具体的には、Webサイトに表示する文書の内容と構成はHTMLで記述し、文字の大きさ・色・背景、テキスト枠や画像の配置などのデザイン部分はCSSに記述することになります。こうして、文書とデザインの機能を分離することで、サイトの更新作業やチェック作業がピンポイントで行えるため作業工数を減らすことができます。

Webサイトのリニューアルなどでデザインを変更する際には、HTMLの変更作業が少なくて済むのでコストの削減にもつながります。

メリット2:SEOに強くなる

2つ目のメリットはSEO(検索エンジン最適化)に強くなることです。Googleなどの検索エンジンはW3C勧告を意識しているために、Web標準化することで検索順位が上がりやすくなります。その理由は、文書(HTML)とデザイン(CSS)を分離することで文書構造が簡潔になるので、検索エンジンが理解しやすくなるからです。

いくら素晴らしいサイトを作成しても、検索エンジンに評価されなければ上位表示は望めません。そして検索エンジンに評価されるためには、検索エンジンが理解しやすい構造であることが必要ということです。

メリット3:サイトのアクセシビリティが向上する

3つ目のメリットはアクセシビリティ(利用しやすさ)の向上です。Web標準化することによって、OS(オペレーティング・システム)やブラウザの種類に関わらず、利用する端末の環境に対応した表示が可能となります。Web標準化されたサイトなら、スマートフォンやタブレット、パソコンなどさまざまな端末からアクセスできるので、利用者の利便性が高くなります。

また、Web標準化でファイルサイズが軽量化するので、データ通信量が減ってサイトの表示速度がアップします。この点も利用者の利便性につながるので集客アップが期待できます。

W3C勧告を準拠するタイミング

最後にW3C勧告に準拠するタイミングについて説明します。

準拠の方法

Web標準化は既存のサイトで実装することも可能です。ただし、大規模なサイトで全面的に対応しようとすると、作業漏れや作業ミスが発生しやすくサイトの不具合につながります。

利用者が多ければ多いほど、サイトの不具合は大きな損失となってしまいます。このような場合は全面的に改修するのではなく、部分的な改修を積み重ねていく方法が良いでしょう。

準拠のベストタイミング

新規にサイトを作成する際や、既存のサイトをリニューアルするときがWeb標準化のベストタイミングです。利用者がいない状態で作業を進めることで十分な検証を行うことができるからです。サイトを作りなおすタイミングならば、Web標準化に対応しやすく、作業漏れや作業ミスも発生しにくくなります。不具合があっても公開前なら利用者に迷惑をかけることもありません。

新規にサイトを作成する、または、リニューアルをする予定がある場合は、W3C勧告に準拠したサイト作成に取り組むことをおすすめします。

まとめ

繰り返しになりますが、W3C勧告に準拠してWeb標準化することは、Webサイトを存分に活かして集客アップをはかるためは欠かせない要素です。サイト運営の簡素化だけではなく、SEOや利用者の利便性の向上にもつながります。W3C勧告に準拠することで検索結果の上位を狙いやすくなるのです。

既存のサイトがW3C勧告に準拠しているかを確認できるサイト(本文で紹介)もありますので活用してみてください。


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この記事の著者

itra
ITRA株式会社

官公庁や大手企業を中心とした大規模なWebサイトを総合的にプロデュースするWeb制作会社。デザインからシステム、サーバーまでWebサイトに関わるお客様の悩みを解決します。