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ドメインとDNSの違いを理解していますか?

ドメインとDNS。名前は聞いたことがあるけど違いが分からないという方も多いのではないでしょうか?インターネットの根幹をなす仕組みは何かといえば、ドメインとDNS(ディーエヌエス:Domain Name System)だということができます。ドメインはインターネット上の住所、DNSはその台帳のようなもので、インターネットを使うための最重要な技術の1つです。今回はドメインとDNSの違いから両者を詳しく学んでいきましょう。

ドメインとDNSの違い

目次

ドメインとは

ドメイン(domain)という英語はもともと領地とか領域という意味で、インターネットの世界での住所と言い換えることができます。インターネット上に接続されているコンピュータを特定しているのは、実際には、IPアドレスと呼ばれる数字ですが、人間にとっては数字の羅列では覚えにくいため、わかりやすいコトバのかたち=ドメインに言い換えて使っています。ちょうどGPSが緯度経度で位置を表すけれど、人間は地名と番地を使うのと同じようなイメージですね。


【コラム】IPアドレス(Internet Protocol Address)


IPアドレスは、「172.16.254.1」のように、4つのブロックに分けられた数字をピリオドで区切ることによって表現されます。インターネット上のすべての機器にこのIPアドレスが付与されていることにより、コンピュータ同士は目的の相手を選んで通信することができます。インターネットに接続するためのIPアドレスは、グローバルIPアドレスとも呼ばれ、ICANN(最上位の国際機関)が大もととなって管理しています。一方、社内LANのみで使用されるIPアドレスは、プライベート(ローカル)IPアドレスと呼ばれ、区別されています。

ドメインは、たとえば会社のWebサイトを表している「www.○○○.co.jp」のうち、「○○○.co.jp」の部分です。ドメインを使用したい時は、まず、お名前.comに代表されるドメイン指定業者に料金を支払って、使用する権利を取得します。取得といっても買いきりではなく、契約更新し続けなければ権利が失われ、廃止となります。廃止すると未知の第三者に取得されてしまい、企業にとっては信頼やブランド価値を損なう可能性も生じます。取得したドメインは大切な資産となりますので、もしも使わなくなっても維持し続けるのが通常です。

また、「www.○○○.co.jp」のうち、「○○○.co.jp」の前に来る「www」の部分はサブドメインと言われ、「www2」や「shop.○○○.co.jp」のように所有者が自由に作成できます。

DNS

DNSとは

DNSとはDomain Name System(ドメイン・ネーム・システム)の略称で、IPアドレスとドメイン名を紐づけるシステムです。

ドメインは、取得しただけでは、まだ使用していることにはなりません。Webサイトのアドレスやメールアドレスとしてドメインを使うには、アクセスされた際にドメインをIPアドレスに変換する機能が必要です。それがDNSです。

ユーザーのリクエストに応じてドメイン名に対応したIPアドレスを割り出す行為を「名前解決」または「正引き」といいます。また、正引きとは反対に、IPアドレスからドメインを割り出す行為を、「逆引き(reverse DNS lookup)」と呼んでいます。

アドレスを入力してからページが表示されるまで

ユーザーがWebサイトへアクセスすると、ブラウザがDNSサーバーへ問い合わせを行い、IPアドレスを聞き出します。この時、最初に問い合わせを行うのが、世界に13台しかないルートDNSと呼ばれるサーバーです。DNSは、13台のルードDNSを頂点に階層構造をとっており、何台かのDNSを辿っていくと目的のドメインのDNSへ到達できる仕組みになっています。

IPアドレスがわかると、ブラウザは目的のWebサーバーへアクセスし、Webページを取得します。これがIPアドレス入力からWebページの表示までの一連の流れです。

DNSの階層構造

先ほども説明した通り、DNSはIPアドレス/ドメインと同様に階層構造となっていて、ドメイン名に対応するように管理する範囲を階層化・委任をして分散管理を行っています。この時に委任される範囲のことを「ゾーン」と呼びます。ゾーンを委任するためには委任元でのサブドメインの作成が必要です。このとき、委任する側を「親」、委任される側を「子」と呼びます。

ゾーンの管理者は、それぞれ「ネームサーバー」というサーバーで、「管理しているゾーンに存在するホストのIPアドレスとドメイン名」と「委任に関する情報」の2つを管理しています。

DNSの重要性

ドメインとDNSはセットでなければ機能しないものですので、ドメインを取得する際にはDNSサーバーもセットで提供されるサービス(たとえば、お名前.com)を使うのが手軽です。

一方で、自社でDNSサーバーを構築して運用することも可能です。ただし、DNSサーバーは2台以上用意することがルールになっていますので、その点を注意する必要があります。1台に障害起こってもネットワークが滞って周囲に迷惑をかけることがないよう、DNSサーバーはプライマリとセカンダリの2台以上設定するものだということを覚えておきましょう。

まとめ

インターネット上の住所台帳のような役割を果たすDNSを安定的に運用することは、インターネットをスムーズに利用するための責務でもあります。正しくドメインとDNSを理解して、安定的で信用されるWebサイト制作を目指しましょう。

この記事の著者

itra
ITRA株式会社

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